外壁塗装の「つや消し」

外壁塗装 つや消し

「外壁はツヤ消しで塗ってほしい」というご要望を多く頂くようになってきました。ツヤ消しの外壁は控えめ・ナチュラル・上品といったイメージがあり、新築に多く採用されています。

塗り替えではつい最近まで耐候性の面から「つや有り」を選ぶしか無かったのですが、最近では「ツヤ消しで高耐候」をうたう製品も増えてきました。

そこで今回は、塗装実績1700軒の弊社が「ツヤ消し」について考えてみたいと思います。結論から言ってしまえばツヤは「お好みで大丈夫」なものです。

「つやが無い」とは。

一般的に「つやが無い」とは「光が拡散して眼に届きづらい」という状態の事であり、光が拡散するのは「表面に細かな凹凸が有る」からです。この凹凸に汚れが取り付きやすいから「つや有りが長持ち」と言われています。

添加剤で「ツヤ消し」

溶剤系のツヤ消しは底ツヤ感が残る

「耐候性も気になるけどツヤツヤも嫌」というお客さまには溶剤系シリコン塗料のツヤ消しをオススメしています。溶剤系シリコン塗料のツヤ消しはフラットベースと呼ばれる添加剤が混ぜられています。

弱点としては、溶剤系の塗料は完全なツヤ消しに出来ません。3分艶(若干つやが残る)までが限度となっています。

元から「ツヤ消し」の塗料。

水性塗料は完全なツヤ消しが可能(出典元にリンクします)

「完全なツヤ消し」をご希望のお客さまには、こちらの塗料をオススメしています。「ツヤ消し」へのニーズが増えた事もあり、メーカーでは上で述べたような弱点を「克服した」としている製品です。 

こちらは最初から「ツヤ消し塗料」として設計されており、添加剤も含めたバランスが取られている製品です。

考察とまとめ。

塗料の耐候性への影響は、つやのある無しよりも日当たりや塩害などの「立地条件」の方が大きいです。つや有り塗料の「つや」も実際には5年程度で引けが始まります。(はた目には気付かない程ゆっくりですが)外壁のテクスチャ(模様)によっては「ツヤ」があっても目立たない事すらあります。

ツヤ消しとツヤ有りで多少成分は違うのでしょうが、長年の現場での体感としては「持ちは一緒」です。筆者としては「ツヤはお好みで選んでいただければ大丈夫」と結論づけています。