難付着サイディングを塗装。

「難付着サイディング」の外壁を塗らせて頂いています。現場調査の段階ではそれほど悪い状態にも見えなかったのですが、高圧洗浄に下地調整と作業が進むにつれ、割れや欠けが出てきました。これらを補修しながらの塗装になります。そこで今回は現状をご説明しながら「難付着サイディング」についてご説明したいと思います。

劣化した難付着サイディング

〇難付着サイディングとは

〇初見ではそれほど。

〇「実は」割れて欠けていた。

〇難付着-の下地処理

〇まとめ

〇難付着サイディングとは

「難付着サイディング」とはその名のとおり、汚れが付着がしにくい光触媒や、無機系コーティングがされた高級な外壁の事です。新築のキレイな状態が長持ちする長所の一方で、「塗料も付着しにくい」という難点があります。※詳しくはこちら

〇初見ではそれほど。

難付着サイディング
初見ではきれいに見えました。

難付着サイディングは、新築から10年以上経ってもチョーキング(触ると粉が付く現象)が起きません。今回のお宅様では築15年以上が経過。日当たりが良いにもかかわらず壁がツヤツヤ。これは判りやすかったですね。

〇「実は」割れて欠けていた。

高圧水洗浄がおわり、コーキングを交換するべくカットしていると、壁の継ぎ目から腐食が続々見つかります。新築時のコーキングは無塗装なので7年も経つと破断が始まり、そこに雨が浸透・乾燥を繰り返すと壁材はスポンジ状に自壊します。これはサイディング全般に起きることなので「難付着-」は関係ありません。表面がキレイなので、劣化には気付きにくかったのかも知れません。

浸食して自壊した難付着サイディング
浸食が進むとこのように崩れて自壊します

〇難付着-の下地処理

新築から初の塗装なので、壁にはクギの穴や細かなヒビがあります。通常のサイディングの下地処理として、これらを埋めて平滑にする「微弾性フィラー」があるのですが、難付着材には直接塗れません。塗るには難付着材専用のシーラーを塗ってから。つまり「2度」下地処理してはじめて、普通に仕上げ塗料が塗れるようになります。

難付着サイディングに専用シーラー穴
専用シーラーを塗っても釘の穴は塞がりません

〇まとめ

当時は、大工さん家主様ともに「高級な壁」としか思ってなかったそうです。これは危険な状況だったと思います。もし知識のない業者がこれに気付かずに普通の塗装をすれば、ベロっと大きく剥がれてしまうところでした。しかし難付着サイディング。せっかく高級な外壁を採用してもメンテナンスで高く付くようでは、何だか本末転倒な気がします。