「急に劣化する」屋根材・壁材(令和7年加筆)
家の外装に使われている建材は腐食や劣化に強いのが当たり前ですが、年月を減ると急に劣化が始まる(様に見える)ものがあります。
今回は、意外と数が存在する「急に劣化する(様に見える)」な建材についてお話しします。
塗料を剥がす「カラートタン」

昔のカラートタンは「亜鉛メッキ鋼板」製で(現在はガルバリウム鋼板)年数を経ると「塗料を寄せ付けない皮膜」が内部に発生します。
下地の金属面から大きな剥がれが続々と現れるので、大変やっかいです。対策としては、下地から剥がれた箇所の皮膜をしっかり擦り落として下地を露出させてから塗り直します。
ただ、このような剥がれが表出してきたと言うことは、全体にその予備軍が隠れている訳で、しっかり塗っても他が剥がれる「いたちごっこ」が続きます。

山本塗装ではトタンの剥がれが顕著な場合は、屋根材の交換をおすすめしています。おすすめは「カバー工法」で、新しい屋根材を既存の屋根に重ねて設置する方法です。
既存の屋根材の撤去や処分が不要なため、葺き替え工事よりも費用を抑えられ、工事期間も短縮できます。
中から錆びる「塩ビ鋼板」

塩ビ鋼板(塩ビ被覆鋼板)とは、鉄板にポリ塩化ビニールがコーティングされた部材で、外壁や屋根にも使用されています。色や模様が自在なので、上質な質感が得られます。
一見すると丈夫なものに見える塩ビ鋼板ですが、年月が経つと加工した切れ目や何かしらの傷から水が入り込み、ビニール内部でサビが広がっていきます。
※塩害地域である横須賀特有の事象かも知れません。

ただ膨れてる「程度」と思っていると実は内部で[穴が空いて」たりするので「コーティングが劣化しないうち」の塗装が必要です。
このような「特殊な建材はないか」と見積もり時に業者に確認してみるのも、業者選びの良い指針になるかと思います。
雨戸、戸袋、シャッタなどの鉄部

この部材に問題は特に無いのですが、お客様からのお話で「急にさび始めた」と聞く事が多いので載せてみました。雨戸などの鉄部はガルバリウム鋼板で、亜鉛やアルミ等の合金でメッキされた部材です。
広い軒天井やベランダの下など、雨が当たりにくい箇所には塩分が溜まりやすく、10年ほどで「白い星状のサビ」が出始めます。
横須賀市のような塩害地域では特に多いですね。対策としては、台風などの強風のあとにはホースで水をかけて、溜まった塩分を流してやる事を習慣にすると良いでしょう。
まとめ

時間が経過してから、特殊なメンテナンスが必要になった代表的な2つを紹介しました。
これは余談ですが、新しい建材は(塗料もそうですが)リリース当初はビルや公共物に採用されて実績作りをします(ある意味そこで問題を探ってる様にも見えます)。
新築を建てる際には「リリースから10年経っている建材」を採用したほうが、トラブルも起きにくく「安心」だと思います。
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