見つかりにくい場所の「サビ」~家主さまが気づきにくいサビの実例と対処法~

外壁やベランダなどの金属部分に発生する「サビ」。私たち塗装業者にはすぐに分かるサビでも、家主さまが気づかないケースが多くあります。
今回は、実際の現場で発見された「見つかりにくいサビ」の事例をご紹介します。
事例1:アルミなのにサビ?


ベランダの手すりの下にある「笠木(かさぎ)」から、赤いシミのような跡が流れていました。
一見すると「アルミはサビない」と思われがちですが、内部からサビ汁が出てきていたのです。原因は、手すりの根元にあるコーキングの隙間から水が入り込んだこと。
対処法として、まず手すり継ぎ目のコーキングを打ち替え、水の侵入を防止します。さらに、笠木の下端もコーキングで塞ぎ、サビ汁の再発を防ぎます。
事例2:「ステンレス」なのにサビ?


屋根塗装の際、雪止め金具(ステンレス製)にサビが見つかることがあります。
「ステンレス=サビない」と思われがちですが、鉄や亜鉛などの合金であり、亜鉛の含有量が少ないものはサビが発生する場合があります。
このようなサビは、ワイヤーブラシで丁寧に擦り落としたうえで、密着性の高いエポキシ樹脂系防錆塗料を使用して下処理します。
その後、屋根と同じ仕上げ塗装を行うことで、見た目も機能も回復します。
事例3:鉄板外壁材(リブ波模様)のサビ


昔ながらの鉄板外壁材には、表面に波状の凹凸(リブ模様)がついています。
遠くから見ると綺麗でも、近くで見ると白っぽい粒がポツポツ。実はこれも「初期のサビ」のサインです。
焼き付け塗装の外壁は耐久性が高い反面、表面が硬く劣化が目立ちにくいため、サビの発見が遅れがちです。
塗り替え時には、これらの白い粒を手作業でしっかり擦り落とし、ケレン(研磨)後に錆止め塗料と仕上げ塗料を塗布します。
錆止め塗料の選び方

一般的な塗料でもある程度の防錆効果はありますが、空気や水分を完全に遮断することは難しく、時間とともにサビが進行してしまいます。
そこで必要なのが、金属のサビ発生プロセスに対応した防錆塗料です。
以前は鉛を含む「赤サビ塗料(シアナミド系)」が主流でしたが、人体への影響から現在は使われていません。
代わって主流になっているのが、エポキシ樹脂系防錆塗料です。エポキシ塗料は金属のキズや隙間に密着し、空気や水分を遮断。高い防錆効果が期待できます。
まとめ:山本塗装のこだわり


現場でサビを完全に除去することは、作業環境上どうしても難しい場合があります。そこで山本塗装では、より防錆効果=の高い2液混合型エポキシ樹脂塗料を使用しています。
サビの進行が見られる箇所には部分的に拾い塗りを行い、その上から全体にも同じ塗料を塗布。これにより、サビやすい部分を重点的に保護し、長持ちする美しい仕上がりを実現しています。
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