外壁塗装の色選び ― 選び方のヒント (令和7年改訂)

「必要だから」と決めた外壁塗装。せっかくなら壁の色も変えてみたい…そう思う方は多いのではないでしょうか。
お気に入りの服、花、風水、ネット検索。好きな色のヒントは身近にたくさんあるのに、いざ家の外壁となると「ウチにはどんな色が似合うんだろう?」と迷ってしまいますよね。
そこで今回は、色選びの取っ掛かりになる「考え方」をいくつかご紹介します。外壁塗装を検討されている方の参考になれば幸いです。
※日本塗料工業会「塗料用標準色」を使用します。日本塗料工業会が発行している「塗料用標準色(ポケット版)」です。
お近くの塗料販売店や通販サイトでも購入できます。(2024年P版 税込3,960円)
「今の色」をベースに少し変える

「今の外壁色よりちょっと濃くしたい」「少し薄めにしたい」――そんな方におすすめの方法です。
初めての外壁塗装であれば、現状の色は建築のプロが選んだもの。すでにバランスが取れているはずです。まずは見本帳から「今の壁色」を探しましょう。
似ている色を壁に当てて確認し、最も近い色を見つけたら、その色番号の末尾3ケタ(例:70F)に注目。
同じ末尾を持つ色は「濃さは同じで、色味だけが違う」バリエーションです。この中から選べば、大きく外すことなく好みの色を見つけられます。
近所との調和を考える

「周りから浮いてしまうのは避けたい」という方は、周囲の家との調和を意識しましょう。
少し離れた場所からご自宅を眺めてみると、近隣の家々とのバランスが見えてきます。その中で「いいな」と思う色を参考にするのがポイント。
参考にしたい家があれば、見本帳を持ってお願いして色を見せてもらいましょう。3軒以上離れたお宅を目安にすると安心です。
景観条例のカラーサンプルを利用する
例えば横須賀市では、市のウェブサイトに「色彩協議書の手引き」があり、地域ごとの景観に合わせたカラーサンプルを公開しています。
「海辺」「市街地」「緑の多いエリア」などに分かれており、日本塗料工業会の色番号付きで紹介されているので、調和の取れた色を簡単に見つけられます。
実物は市役所の「都市部 まちなみ景観課」で入手可能です。
まとめ

現代では求めれば、どんな物も何色にでも出来るようになりました。
しかし我が国では古来より、その場にある木や土を使い家屋や塀などを建ててきたので、自然と折り合いを付けた美しい景観が産まれています。
家の色は、巣立った子どもが帰ってきたとき、故郷の「背景」として思い出されるもの。
ぜひ思いを巡らせながら、納得のいく色をお選びください。
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