木部保護塗料の現状と課題
住宅の外部への木材使用が「減っている」と感じます。
内部構造や内装としての木材は必需品なものの、サイディング外壁を主とする昨今の住宅では、難燃素材であるセメント質、石灰質とそれを補強する繊維質で建材が出来ています。
屋外に露出している木材といえば、アクセント的もしくは木材と樹脂を混合した木質系サイディング、樹脂製ウッドデッキとしてでしか存在しておらず
これはひとえに、塗装で木材の美観と耐候性を保つのが、他の塗装物に比べて「難しい」ということに他なりません。
今回は塗料情報誌の情報から、木部用保護塗料の「今後」をのぞいてみたいと思います。
ー以下は「CoatingMediaOnline」より抜粋
市場規模の縮小
2023年度のメーカー販売金額は前年比7.5%減の約49億円と減少傾向にあります。
住宅塗り替え市場の低迷や消費マインドの冷え込みが影響していますが、建築塗料市場全体(約1,600億円)に占める割合はわずか3%です。
・メーカーの動向
各メーカーが独自戦略(新工法開発、環境対応塗料など)を模索しており、SNSやWEB活用によりユーザーとのダイレクトな関係構築を重視しているとの事。
これまで重視されていた販売店、建材店、ホームセンターに加え、直接ユーザーに情報発信する傾向が伺えます。
非住宅分野と木造建築の可能性
・木造建築の成長分野
中高層木造建築の床面積が前年比でほぼ倍増(2022年度の2万㎡台 → 2023年度の4万㎡超)。
新国立競技場など象徴的なプロジェクトが木造化を後押ししている様です。
・木材利用の課題
一方、耐候性、補修性、長期耐久性(10年以上)の課題が顕在化しています。
気候や物理的要因による経年劣化への対応が未知数であり、灰色化、カビ、腐朽などの不具合が既に確認されているため、対策が求められています。
以上「CoatingMediaOnline」より抜粋ー
まとめ
中規模以上の「公共の建築物」には木造建築が増えているとの事ですが「木材が選ばれて」というよりは「環境配慮」のイメージを第一に考えた結果のようにも見えます。
耐候性・補修性・長期耐久性への課題が顕在化しているとの事で、木材保護塗料の高耐久化が待たれるところです。
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