業務日誌|K様邸
築15年程のお宅様。こちらでは外壁材の間にあるコーキングの離れや割れが深刻化していました。今回はこちらの工事の要点を「もし放っておいたら」の想定を含めてお話します。最初にお話しすると、今回の工事によって今後は「10万円」ほど工事代金が安くなると思われます。
コーキングは外壁の「割れめ」
一般的なサイディング(窯業サイディング)はセメント質と繊維で出来ていますが、製品の厚み部分は塗装されておらず素地がむき出しです。ここは雨水を吸うので、コーキングの割れを放っておけばセメント質が流れて出て空気を含むようになります。こうなると塗装が難しくなったり「壁の交換」にまで及ぶ事すらあります。壁にとってコーキングは、塗装と同じく「最後の砦」なので早めの交換・打設が重要です。
壁の「穴とヒビ」
外壁も築10年も過ぎると、壁が小さく欠けたり、何かしらの応力で毛幅のヒビ(ヘヤークラック)が入ったりと様々な劣化が始まります。これらも放置するとクギ廻りの固定が弱まって壁が反ったり、前項のように交換のリスクも高まるので注意が必要です。これらは初期の劣化であれば塗装でケアが出来ます。下地処理材「微弾性フィラー」で表面をケアしながら仕上塗料をしっかり密着させます。
鉄の建具(雨戸、水切、ひさし)
家には雨戸・ひさし・水切など、鉄が使われている箇所がたくさんあります。家の機能に大きく関わるところですし壁や屋根に比べて痛みやすい箇所なので、壁と一緒にメンテナンスしましょう。また、これらの劣化に合わせて塗装することで「塗料のランクを下げることが出来ます」リンク。何より高いのは仮設足場です。これを建てる回数を減らすのが何よりのコストカットになります。
コロニアル屋根(アスベスト非配合)
コロニアルも壁と同じ材料ですが2000年を境にアスベストが撤廃。この頃に建てられた屋根は強度に問題をかかえており、屋根の「膨らみ」や「波打ち」にはとくに気をつける必要があります。また、夏は表面温度が60~80℃と高温。メンテナンスを怠れば屋根が波打ってきたり、スキマが拡がったりします。今回は遮熱塗装を採用しました。温度の上昇を20℃抑えることで、屋根の劣化を防ぎます。
まとめ
今回は「はじめての塗装」だったので、下地処理でヒビが表に出ないように処理し、コーキングもしっかり塗装しました。これで ヒビの処理は基本不要になり、コーキングも塗装したのでより長持ちになりました。今後の工事代金は10万円程※抑えられます。(※外壁面積200㎡の場合)
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