塗装店が評価する「透湿性塗料」(令和7年加筆)

梅雨入り目前と言ったところでしょうか。この時期になると悩まされるのが湿気ですが、塗料にも内部からの湿気を逃がす仕組みを持つ「透湿性塗料」という物があります。
今回はこの透湿性塗料をご紹介しますが、外壁材によって透湿の目的やお勧めする塗料が違うので、部位ごとにお話ししたいと思います。
モルタル外壁

モルタル外壁の運命とも云えるヘヤークラック(構造的には問題ない細かなヒビ割れ)に有効なのが「エスケー化研 ニュートップレスクリーン」です。
単層弾性塗料において透湿機能は、厚膜塗料に特有の「塗膜の膨れ」を防ぐために採用されています。
ウレタンでもシリコンでもない塗料ですが、厚い膜に仕上がるのでヒビを美観的に隠すことが出来、15年の耐候性が期待出来ます。
サイディング外壁

サイディングは熱をため込みやすく、又水分を吸収しやすい材料です。この場合に透湿性は、侵入した水分が内部で揮発して結露するのを防ぐのに採用されます。おすすめは「日本ペイント パーフェクトトップSi」。
パーフェクトトップSiは、水性シリコン塗料としては珍しい透湿性を有していて、外断熱などの「呼吸する外壁」の機能を邪魔しない機能性塗料です。
軒天井

「軒天井」は壁から突き出た屋根の裏側にある、下向きの白い部分。最近の軒天に多く採用されているケイカル板などのボード製天井材は、サイディングと同じく耐火性と防湿性に優れているものの
水を吸い込みやすいので、湿気を排出させて内部結露を防ぐために透湿性の塗料が採用されます。軒天井は日射が皆無なので、塗料にそれほど高耐候性は必要ありません。おすすめは「大日本塗料 水性ビルデック」若しくはパーフェクトトップです。
ジョリパット外壁

ジョリパット等の高意匠の外壁において、経年劣化による微細なヒビが散見されるお宅さまにおすすめしたいのが「ロック透湿コート(つや消し)」です。
ジョリパットは透湿性の確保が大事な壁材ですが、「ロック透湿コート(つや消し)」が個性的なのは「微小骨材がヘアクラック(微細なヒビ割れ)を隠しながら」
「壁の伸び縮みに追従し」かつ「透湿性を確保」しているところ。下地処理をアップグレードする事なく透湿性を保ったままヒビを隠せますし、シーラーの強力な浸透・密着力を活かす事が出来ます。
まとめ
現在の住宅は昔に比べて高気密に造られています。塗料の透湿性は現状に即した機能といえるのですが、家の経年劣化の仕方も立地や材料等で千差万別。
なので透湿性塗料も弊社にご相談ください。現状の劣化を判断してご提案することが出来ます。
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