鉄に塗れない!?

弊社では外壁の仕上げ塗りに、油性(弱溶剤系)シリコン塗料と高機能の水性シリコン塗料「パーフェクトトップ」を採用する事が多いです。
水性で全部塗れたら使いやすそうですが、塗料の機能の他に、作業のしやすさ、多用途に使える、といった要素が絡むので、水性一辺倒という訳にはいきません。
ちょっと小難しい話しですが、お付き合い頂けましたら幸いです。
パーフェクトトップを採用する理由。

パーフェクトトップを採用するのは、壁材がジョリパッド仕上げであったり、壁色にツヤ消しを選択されるお客さまが増えた事が大きいです。
パーフェクトトップはジョリパッドにも対応する高い透湿性と、完全つや消しに仕上げられる機能性を持ち合わせています。
ただ、パーフェクトトップは高機能とは言えどやはり水性シリコン。水性塗料なりの欠点も持ち合わせています。

鉄に塗れない?!
カタログには金属面にも塗装可能とありますが、刷毛塗りを多用する金属部分では仕上がりにムラが出やすく、油性塗料ほどには「他所への流用」は難しいです。
また水性塗料の場合、油性塗料に比べて隠蔽性(下地の色を隠す力)が弱く、色が違い過ぎると流用が出来ません。

なので、たとえば面積では1缶で済むところも油性水性と使い分けるとなれば、各々1缶で用意することになります。塗装店では「材料を2倍多くストック」する事になるのです。
それが積もり積もってお客様への金銭的負担とならないよう、塗装店では一層の留意を心掛けねばなりません。
廃材になれば油性と同じ。

水性塗料の廃材処理ですが、油性よりも環境負荷が少なく有害物質が少ないとはいえ、液体のまま排水や土に流すのはNGです。
当然ですが全て法令違反で、罰則の対象になります。水性塗料の廃材も「油性塗料と同じく」産業廃棄物収集運搬業者に依頼して処分しています。費用も同額です。
まとめ

塗装店での塗料ストック管理の負担の増加は問題です。塗料メーカーとしては企業努力なのでしょうが、隠れたコスト増に苦慮するのは塗装業者そしてお客さまです。
弊社が望むのは「油性塗料」と同等の機能を持ち、何にでも塗れる水性塗料、、、、「水性」である必要はあるのでしょうか。
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