塗装店が考える「塩害への備え」
弊社地元の三浦半島や、逗子葉山などの沿岸地域にお住まいでも「塩害(えんがい)」というものの存在には意外と気付けないものです。
他の地域の建物と比べる機会も少ないですし当然なのですが、塩害地域と内陸では、建物の劣化具合も随分違ってきます。
そこで今回は、建物に「塩害」がおよぼす被害のおさらいと、対処方法についても改めて考えてみたいと思います。
塩害とは
下記Wikipediaより抜粋
ー塩害(えんがい)は、塩分に起因する、植物や各種建築物・構造物への、害の総称である。特に海岸近くでは海水に含まれる塩分により種々の塩害が生じる。ー
ー海水塩に由来する塩害は、通常は海岸から数kmまでの地域で生じるが、台風の強風などにより海岸から遠く離れた内陸部まで被害が及ぶ場合もある。ー
住宅に塩害がもたらす「被害」
上記にあるように、沿岸部はもちろん海に囲まれた三浦半島は全体が塩害地域といえます。台風などの後、外壁や雨戸などの金属部に
白い跡がたくさん付いているのを見る事がありますが、あれこそが「海から飛んできた塩分」です。塩分はそこに固着、浸透することで塩化物イオンとなり
さまざまな悪さをします。鉄は錆び、アルミサッシは表面に白い斑点(白サビ)が表出、コンクリートやサイディングはセメント質の不動態被膜が破壊され劣化が早まります。
塩害への対処方法
塩害への対処方法としては
「お手入れを欠かさない」ことが大事です。
1・水を掛ける
台風の後などで塩害が心配な時、ホースなどで家に水をたっぷりと掛けて塩を流してあげて下さい。高圧洗浄機もあれば有効ですが
ご近所にお声がけなど周辺への気づかいが要ることもあるので、ホースがお手軽です。金属部はカタチの複雑さゆえに塩分が流しきれないこともあるので、水拭きしてやれるとなお良しです。
2・塗装工事
表面の被膜が劣化してしまうと素地にダメージが届いてしまうので、そうなる前に塗装で表面の被膜を更新していきましょう。
悪くなる前の塗装。塩害地域では金属へのダメージが始まる10年毎を目安とした、定期的な塗装工事が有効です。その場合、外壁への塗料は10年持てば良いので、ハイグレードにする必要がなくなります。
まとめ
弊社のお客さまの場合、多くは誰に言われるでもなく「水を掛ける」といったお手入れは日常的にされているようです。
家は建てればOKでは決してなく20年後、30年後にお手入れしていた結果がしっかりと現れます。ハウスメーカーでは住宅の寿命を「25年」と設定し
その後は「建て替え」を提案するそうですが、お手入れ次第でもっと寿命を延ばすことは十分可能なのです。
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