プラと亜鉛めっき鋼を強固に接着。

最近はニュースサイトで時事ネタを仕入れることがほとんどになりました。サイト内で弊社の仕事である「塗装」に関するニュースは皆無に近いのですが、

表題のニュースを見てとても驚いたので、記事の紹介と塗装店なりの見解(と妄想)をお話したいと思います。

記事紹介(出典:TECH+)

記事にリンクします

以下記事より抜粋

-東京大学(東大)は12月21日、亜鉛めっき鋼を75℃の熱水に浸漬することで-亜鉛めっき鋼とプラスチックを接着剤なしで強固に接着する技術を開発したことを発表した。-

-自動車業界では-従来金属製だった部品のプラスチックへの置き換えが急速に進行中だ。-直接的に両素材を接合する技術が強く求められていた。-

詳しい記事の内容はこちらから。

塩ビゾル鋼板の現状

このニュースを聞いて思い出したのが、屋根や外壁で使われている「塩ビゾル鋼板」です。この材料は「接着剤」など複合的な方法で下地処理した亜鉛めっき鋼板に、プラスチック樹脂を吹き付けたもの。

塩ビゾル鋼板は屋根にも使われます

表面の加工性を損なわずに着色やエンボス(凹凸加工)が出来る優れた建材です。今現在、塩ビゾル鋼板は経年劣化によって表面の樹脂が割れると、そこから水分が入ってサビが発生します。

「塗装不要」の壁が出来る!?

もしもプラスチックと亜鉛めっき鋼板が完全に接着できて、塗装よりもはるかに厚膜の樹脂が載せられるようになったらどうでしょう。「塗装が不要な外壁材」が造れるかも知れません。

僕がこう思う根拠は塗装工事の現場です。お客様が木の濡れ縁を1,2年毎に塗って、塗膜をずっと良好に保たれていたのです。

塗装された木材が経年劣化すると、普通なら塗装は木材の表層ごと剥がれていきますが、どんどん塗装していったことで膜が分厚くなり、木材を守りかつ樹脂自体も丈夫になって劣化を防いでるのだと思われます。

まとめ

ある程度の厚みが出れば密着不良が出やすい木材でさえ密着し続けるのであれば、厚い樹脂で表面を完全に覆った亜鉛めっき鋼板は「塗装が必要なくなる」と思うのです。

もちろん塗装店としては「塗装の必要のない壁材」はまったくもって歓迎出来ないのですが(笑)