塗装職人の刷毛はどう保存する? 55年目の山本塗装が刷毛箱を見直してみました 

こんにちは、横須賀の山本塗装です。

今回はちょっとニッチなお話。

塗装作業で使う「刷毛」の保存の仕方についてです。

「刷毛なんて、洗って乾かしておけばいいんじゃないの?」と、簡単に思われるかもしれません。

ですが「塗装職人」の場合、よい仕事を続けるためには、良い状態を「保ち続けなければ」いけません。

今回は、そんな塗装職人の今更ながらの試行錯誤もお伝えします。

「昔からこうしている」が、当たり前になっていた

山本塗装は昭和46年創業。今年で55年目を迎えます。

塗料や工法については、塗料メーカーや塗料店から新しい情報が入ってきますし、

最近ではインターネットでも簡単に調べられるようになりました。

その一方で、私はこれまで「山本塗装」以外で塗装の仕事をした経験がありません。

そのため、これまで当たり前だと思っていた知識や仕事のやり方の中には、

山本塗装の中だけで通用してきた常識、いわば「内輪の常識」といえるものも、意外と多いのです。

「刷毛保存箱」採用のきっかけ

そんな私が刷毛の保存について考えるきっかけになったのが、職人さんが持参してきた「刷毛保存箱」です。

それまで山本塗装では、刷毛を会社の中で共有して管理し、洗った刷毛は洗浄用の強いシンナーに浸け、塗料用の下げ缶に保管していました。

問題は、刷毛の毛先が下げ缶の底に付いていたので、毛先にクセがつきやすかった事です。

職人さんが自分の刷毛を自分で管理し、専用の保存箱にきちんと保管しているのを見て、「これは合理的だな」と思ったのです。

「刷毛保存箱」のメリット

・良い状態を保ちやすい

刷毛保存箱も、これまでと同じように溶剤を使って刷毛を保存します。

ただ、大きな違いは

「毛先を浮かせて保存できる」こと。毛先にクセが付きにくくなるので、刷毛を良い状態に保てます。

そして、これも僕にとっては新しい発見でした。

洗浄用シンナーできれいにした刷毛は、そのまま強いシンナーに漬けるのではなく、

「塗料用シンナー(塗料うすめ液)」に漬けて保存するということ。

強いシンナーは刷毛の毛に含まれる油分まで奪ってしまい、毛先が広がりやすくなるそうです。

「刷毛にも潤いが必要」髪の毛と同じような考え方ですね。

毎日使う道具だからこそ、洗うだけではなく、その後の状態まで考えて手入れする。刷毛保存箱を使い始めて、そんなことにも気付かされました。

・管理しやすい

もう一つのメリットは、「自分の刷毛を自分で管理できること」です。

自分が使う刷毛ですから、手入れを怠れば、そのツケは必ず自分に返ってきます。

逆に、仕事が終わったらきちんと洗浄し、良い状態で保存しておけば、次の仕事では刷毛保存箱から持ち出すだけですぐに使えます。

「さて、刷毛を洗ってと……」という余計な手間も減り、作業にもスムーズに入ることができます。

道具をきちんと管理することは、単に刷毛を長持ちさせるだけではありません。

「仕事の準備を整え、作業のスピードや効率を上げることにもつながる。」

刷毛保存箱を使ってみて、そんな当たり前のことを改めて実感しました。

55年目だからこそ、見直してみる

55年間続いてきた山本塗装には、先代から受け継いできた技術や仕事のやり方がたくさんあります。

それらを大切にすることはもちろんですが、「昔からこうしているけれど、もっと良い方法があるのでは?」と考えを進める「改善」も大切にしたいです。

今回の刷毛保存箱も、そんな小さな気付きから始まりました。

これからも山本塗装では、55年間受け継いできたものを大切にしながら、

良いものは取り入れ、変えるべきところは変えていく。そんな姿勢で、日々の仕事に向き合っていきたいと思います。

投稿者プロフィール

山本秀登