壁に「青」を塗るという選択(令和7年改訂)

最近、街中で「青系」の外壁や屋根が目に留まります。
本来、当社のカラーコーディネート(色彩設計)ではあまり採用しない “派手な色” のはずですが、なぜか落ち着いて見えることが多いのです。
今回は、この「特定の青色が派手に見えない理由」についてまとめてみました。
青が似合う家のかたち

青い外壁の多くは、「ラップサイディング(日本でいう鎧張)」を使った“洋風”の建物です。
窓にモール装飾が施されているような、アメリカの住宅を思わせるスタイルが中心です。
日本では、木や土の色を模した暖色系が一般的なため、青い外壁はどうしても欧米文化のイメージが強くなります。つまり、建物のデザインとの相性が仕上がりを大きく左右します。
条例から見る青色

当社の所在地である神奈川県横須賀市には「景観条例」があります。
罰則こそありませんが、そこで示されている色彩基準では「青を含む寒色系」はあまり推奨されていません。
つまり、地域によっては青が“浮きやすい”環境であることも理解しておく必要があります。
青を馴染ませる「つや消し」
街で見かける“しっくり馴染んだ青”の家に共通していたのが、「つや消し(3分ツヤ)」で仕上げられている点です。
マットな質感は周囲の緑や外構によく溶け込み、主張しすぎない落ち着いた印象をつくります。青を使う場合、この「質感」はとても大きなポイントです。
濃色のデメリット ―「温度」の問題

青のような濃い色を外壁に使う際に注意したいのが“熱の吸収”です。
サイディング外壁は夏になると表面温度が60℃近くまで上がることがあり、濃色はさらに熱を吸収しやすいため、室内温度の上昇につながります。
この対策としては 外壁用の遮熱塗料 が有効です。なお、遮熱塗料には「屋根用」もあり、間違えやすいので注意してください。
まとめ ― 青を使うなら

「青は使いにくい」と思われがちですが、
・建物が洋風である
・周辺の街並みに近いスタイルが多い
・仕上げをつや消し(3分ツヤ)にする
この3つが揃えば、青は十分に採用できる色です。とはいえ、色には数字では表せない「派手・地味」の感覚的な部分もあります。
外壁塗装を検討される際は、ぜひ業者に相談しながら進めることをおすすめします。
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