鉄には必須の下処理。さび止めはナノ化に期待。


家には、さまざまな種類の素材が使われています。外壁にはサイディングやモルタル。コロニアル屋根は
化粧スレート板に建具はアルミサッシ、雨戸戸袋やシャッター雨戸には鉄、と代表的なものだけでもこれ
だけ多岐にわたっています。
それぞれの素材の個性を活かした材料が使われているのですが、そのなかでも鉄板はたいへん優秀な建材
です。水を吸わないので内部から崩れることがなく、「酸化(サビ)さえ起こさなければ」半永久的に保
たれる材料です。そう。サビさせなければ、です。だから塗り替えのときには仕上げの下地処理としてさ
び止め処理が必要になるのです。

シャッターのサビ

屋根のサビ
話しはすこしズレますが、さび止め塗料の変遷をすこしお話ししておきます。ひと昔まえの合成樹脂塗料
(普通のペンキ)が主流だったころは化学的にサビを止める塗料として、鉛(なまり)が含まれた塗料が
使われていました。鉛丹(えんたん)やシアナミド鉛といったものです。
これらは作業中の鉛への接触や、塗膜の劣化による大気への曝露。そして現在仕上げ塗りの主流であるシ
リコン・ウレタン系塗料とのあいだで剥がれが出やすいなど、現状にそぐわないとの理由で戸建て住宅の
塗り替えには使われなくなりました。今現在、住宅塗装では「エポキシ系塗料」が使われています。エポ
キシ系塗料は塗るモノに深く密着して化学結合・硬化します。空気を通さないことでサビを抑えるタイプ
の防錆塗料です。
最後に「未来のさび止め」について。最近私が特に注目している防錆塗料があります。「染めQテクノロ
ジィ」の「パワー防錆シリーズ」です。「染めQ」はご存じの方も多いかと存じます。この防錆塗料はエ
ポキシの密着性をさらに発展させたタイプの防錆塗料で、塗料をナノ粒子化することで重防食レベルの防
錆力を出せるとのことです。ただこれは今のところ重防食の大規模物件に合わせた仕様の塗料ですので、
住宅等の小規模の現場では使いにくい部分が多々あります。今後の改良に期待したいところ「ナノ」です
が。お後がよろしいようで。
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