業務日誌－モニエル瓦の塗装は「要」注意。

「屋根が汚くなってきたので塗装したい。」

ご依頼で現場調査にお伺いしました。

 

モニエル瓦と言われるこの屋根ですが、

 

キチンとした知識と技術で塗装しないと

「数年で剥がれる」というオソロシイ代物。

 

どうしてすぐ剥がれるのか。それを

「退治」するにはどう「塗れば」良いのか。

 

これからご説明します。

 

目次

〇よく似た「プレスセメント瓦」

〇モニエル瓦の見分け方

〇剥がれる原因「スラリー層」

〇モニエル瓦を塗装する

〇まとめ

 

 

.〇モニエル瓦の見分け方

モニエル瓦というのは

「乾式コンクリート瓦」の一種です。

 

瓦の厚み部分がゴツゴツしてるのが特徴です。

似たものに「プレスセメント瓦」がありますが

 

こちらの瓦の厚み部分は、真っ平らです。

セメント瓦は普通に塗装して大丈夫です。

 

.〇剥がれる原因「スラリー層」

モニエル瓦は「スラリー層」と呼ばれる

無機顔料の層とクリア塗装で仕上がった製品。

 

経年劣化でクリア層が無くなると

スラリー層が顔を出します。

 

スラリー層は「着色セメント」

とも言える脆弱な物なので、従来の材料では

 

スラリー層ごと剥がれてしまうのです。

 

 

.〇モニエル瓦を塗装する

まずは劣化したスラリー層をワイヤブラシや

スコッチブライトなどの研磨材を使って

 

できる限り完全に除去します。

その後で高圧洗浄を行い、第一段階は終了。

 

下地処理には

「スラリー強化プライマー」を使います。

とても吸い込みが激しいスラリー層に

たっぷり吸い込ませて層を強化することで

 

塗膜をしっかりと載せられるようになります。

 

下地処理後にはガムテープで付着試験を行い

はがして色粉が付かなければ合格。

 

ダメならもう一度プライマー処理を行います。

 

プライマーが水性なので仕上げ塗料も

水性塗料ですが、耐候性は申し分ありません。

 

これで塗装は完了です。

 

.〇まとめ

モニエル瓦を塗装する業者には

 

上記の知識を

「知識と経験」で持っている必要があります。

 

厚みのある屋根瓦への塗装は「要注意」です。